浜酒場

舵を取らせりゃ 北海一と
他人(ひと)の噂は 掛値(かけね)なし
貴方(あんた)必ず 戻って来てね
ここが母港(ぼこう)の 浜酒場
船を案じて 赤提灯に
今日も願いの 灯をともす

お酒入れば 大法螺(おおぼら)吹くが
決して言わない 嘘だけは
そこに惚れ込み 許したつもり
男嫌いの この肌を
嫁に来いとの 約束破りゃ
二度と暖簾は ぐぐらせぬ

壁の写真に 陰膳(かげぜん)据えて
添える一本 好きな酒
貴方(あんた)空けたら 私に注(つ)いで
ひとり芝居の 浜酒場
時化が治まりゃ 港に届く
きっと大漁の 風便り
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