各駅停車

坂の真ん中で朝に出会い
陽が落ちるまで遊んでいた
とれかけた文字の端っこを
いつまでも追いかけた

あの笑い声達を
あたしは手放して
いつのまにここまで来た
いつのまにかここへ来た

青い空にいつか手を結び
終わりはないと信じていた
何も知らないきれいな笑顔は
今だってあるよ
消えないわ

つつじの花の香りがして
新しい期待に胸躍らす
銀杏の実が落ちてはじけて
あなたに恋をした

季節が変わるたびに
続けた背比べは
いつまでも勝てなくて
ずっとずっと勝てなくて

転んで泣いた傷跡も
終わりのない宿題も
暖かい記憶を呼んできて
あなたに会えた気がしたの

各駅停車で降り立って
湿った風を吸い込んだ
「変わった」は大人の言葉だね
初めて知った愛しさよ

青い空にいつか手を結び
終わりはないと信じていた
何も知らないきれいな笑顔は
今だってあるよ
消えないわ
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