夕やけ

いかれたふりして歩いていたら
オレンジ 涙がでてきた

まっくろ カラスが山へ帰ってゆくとき
無限のピアノが弾ければいいのに

結局今日もどこへも行けず
映画のなかで生きたいなんて思う

ああ明日晴れたなら 茶色い鉢植えを買いにゆこう
気分はまるで 水を吸ったフランネル
さみしさで ばらばらになってしまいそうだ

自分が誰だかなんて 忘れてしまいたくなるような 夕やけ
悪いのは わたしです ごめんね
指先はつめたいままで

チョコレートがゆっくりと 溶けていくのを 思いうかべている
ねむることにも もう疲れて
太陽にやさしくされたい なんて つぶやくのさ
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