男の坂道

男は背中に 顔がある
沁みた苦労が 書いてある
綺麗事では 渡れない
まして茨(いばら)の 浮世道
夢を体に 巻きつけて
登る男の坂道を

情けを受けたら 手を合わし
恩を返すも また男
見栄や飾りは 捨てて行く
人は人なり 人と成り
花は夜桜 八重桜
登る男の坂道を

命をあずける 人がいる
命あずかる 人がいる
それを夫婦(めおと)と 云うのなら
無駄にするまい この命
明日をめざして 我が道を
登る男の坂道を
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