リンゴ村から

おぼえているかい 故郷の村を
たよりもとだえて 幾年(いくとせ)過ぎた
都へ積み出す まっかなリンゴ
見るたびつらいよ
俺(おい)らのナ 俺らの胸が

おぼえているかい 別れたあの夜
泣き泣き走った 小雨のホーム
上りの夜汽車の にじんだ汽笛
せつなく揺するよ
俺らのナ 俺らの胸を

おぼえているかい 子供の頃に
二人で遊んだ あの山・小川
昔とちっとも 変わっちゃいない
帰っておくれよ
俺らのナ 俺らの胸に
×