赤い傘と貴女

ほつり…ほつり…雨の声 孤独を突く痛み
待ち焦がれたその人は赤い傘の貴女でした

ひゅるり…ひゅるり…風の声 嘘を運ぶ轍
貴女を見る間に奪う午前5時の大事でした
ほろり…ほろり…空涙 頬をつたい彷徨う
失い気付いた事はかけがえのない貴女でした

忘れ形見の赤い傘 主人を待つ小犬の様
どこかで似ている部屋の片隅
止まったままの時間を噛み締めながら
幾夜も…幾夜も…待ちました…だけど…

貴女は来ない 壊れかけのメモリー
毎日心待ちのベル
重荷になるけれどついて来て下さい
まるで叶わぬ恋慕模様

遠くを見つめました なのに明日すら見えぬ日々に
震えながら夜明けを待って
少しは変われました なのに何一つ変わらない
現実…現実…現実…だから…

私行きます 数え切れぬメモリー
出口のない闇を超えて
我が侭な私を許して下さい
まるで何かに導かれる様に

いつからか忘れただろう?貴女と過ごした深い日々を
今の私にはそう思い出す資格もなくて
どこからか溢れるだろう?貴女に対する深い愛は
雲の上から見てる 貴女の分まで生きます
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