夢見るバンドワゴン

僕らはまだまだブルースを歌いながら
遠い街まで高速を飛ばしていく
黒ずんだ狼の怪しい瞳を
まだあどけない笑顔に乗せて

そしてめくるめく季節の風に乗り込んで
ひとしずくの光に肌色の恋をする
心無い罵声を浴びることもあるけれど
途切れることのない情熱を連れていく

空 いっぱいの空 忘れたはずのメロディー
君が手を振ってくれたこと
夢見る丘に立ち 生まれた街を見下ろし
ちょっと黄昏の風に吹かれて

しかしあいかわらずブルースは続いている
時としてくだらないユーモアを交えつつ
後戻りできない恥や悲しい出来事
突然の嵐に我を見失いながら

雲 追いかける雲 夕焼け色に染まる
流れゆく姿は僕らのよう
すすき揺れる高原 ひたむきに明日のために
ぼんやりと燃える太陽の下で

夜 満天の星 またたく時の中で
訪れた沈黙とレクイエム
止まない雨に打たれ 再び朝を迎え
少しくたびれた寝ぼけ眼で

空 いっぱいの空 騒ぎ始めるメロディー
君がそばにいてくれたこと
輝く渚 舞い上がる砂の向こうに
いつも憧れを胸に抱いて
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