木曽路の女

雨にかすんだ 御岳(おんたけ)さんを
じっと見上げる 女がひとり
誰を呼ぶのか せせらぎよ
せめて噂を つれて来て
あゝ恋は終わっても 好きですあなた
湯けむりに揺れている 木曽路の女

杉の木立の 中山道は
消すに消せない 面影ばかり
泣いちゃいないわ この胸が
川のしぶきに 濡れただけ
あゝ恋は終わっても 逢いたいあなた
思い出のつげ櫛(くし) 木曽路の女

明日は馬籠(まごめ)か 妻籠(つまご)の宿か
行方あてない 女がひとり
やっと覚えた お酒でも
酔えば淋しさ またつのる
あゝ恋は終わっても 待ちますあなた
どこへ行く流れ雲 木曽路の女
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