白昼夢

10月の風に抱(いだ)かれ いつか来た道をさまよう
やわらかい光に包まれ 憂鬱なことふと考える

あなたの優しい嘘で 終わらない夢を見た夜
そっと後ろ手で外してた薬指の悲しい運命(さだめ)
若さだとか愛だとか あなたは軽くいなして
犯しかけた間違いをさりげなく諭した

あなたが去っていくことが 悲しいのではなくて
あなたのおだやかな微笑みが 恋しいのではなくて
ただ言い表せない深い深い想いが
遠い記憶の彼方へといざなってく

遅すぎた出会いのことや 敢えて尋ねずにいた涙の理由(わけ)や
よく晴れた朝の眩しさ 目を外(そら)したいものまで 突き刺さる

美しくも儚い生温かい記憶の断片(かけら)が
残酷なまでに優しく包み込んでいく
断ち切る術(すべ)を知らないまま臆病な心は
あなたの嘘のなか 白い夢を見続ける

あなたが去っていくことが 悲しいのではなくて
あなたのおだやかな微笑みが 恋しいのではなくて
まだ飲み干せない ほろ苦い想いが
過ぎ去った過去の破片溶かしてく

あなたが去っていくことが 悲しいのではなくて
あなたのおだやかな微笑みが 恋しいのではなくて
ただ言い表せない深い深い想いが
遠い記憶の彼方へといざなってく
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