指標

溜息に落とした昨日までの指標には
何も感じられない
鮮やかさも失って 凍りつくだけ

僕らはいつだってあの日の雨に打たれて
逆説的な笑み浮かべるのに必死なだけ
でも もういいって言って欲しいんだ

痛みを
もてあます
強く
引き寄せられる
光のむこうへ

揺れる 凝らす
確かな日がこの足元止めても
そうさ きみの気配が
触れてまわりはじめていく
「倦む日々はもういい」って言って
冷たい指の先でさぐりあう

輪郭をたどれば忘れてしまうユメでも
めまぐるしい夜の重なりに
現実(しんじつ)というウソを作りだしている

僕ら 何も信じてない、って駆け引きばかり
作為的な笑みを浮かべるのに必死なだけ
でも もういいんだって言って欲しい

想いを
もてあます
君に
引き寄せられる
捉われていくように

僕の中
剥離される言葉と意思 それぞれが
そうさ 焦がれ続けた君を
焼きなおすだけの倦む日々は
もういいって言って
冷たい夜の先へ混じりあう

いま ぼくのなか
剥離される 言葉 と 意思
それぞれが
焦がれ続けた君の背中を見送る

まだ揺れる 凝らす
確かな日がこの足元急かしても
そうさ 君の気配が
消えてまわりはじめていく

倦む日々はもういらない
鈍い指標はここに捨ててしまおう
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