平戸慕情

ささやくように 泣くように
あなたに告げた さようなら
坂と港と オランダ橋の
平戸を偲ぶ 東京は
恋の未練か やまない小雨

初めて寄せた くちびるに
よく似た色よ かなしみは
海と緑と あの石だたみ
あなたに一度 もう一度
逢って聞きたい 本当の気持

愛してくれた しあわせを
小びんにそっと しまえたら
九十九島は 情の小島
帰れぬいまは ガラス絵に
ひとり平戸の 夢みて泣くの
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