名取川

おもかげを 深く抱きしめ
人の世の 涙集めて
名取川 時を運ぶよ
雪に咲く 白いこぶしは
目立たない 花のこころか
みちのくの春浅い 名取川

あの時の 月を浮かべて
あのひとの すがた映して
名取川 恋を運ぶよ
月見草 なにも言わずに
宵待ちの つらさ伝えて
せせらぎがしのび泣く 名取川

名取川 夢を運ぶよ
遡(さかのぼ)る 秋保(あきう)湯の宿
虹が立つ 港閖上(みなとゆりあげ)
まぼろしの橋架ける 名取川
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