海峡のおんな

生きるか死ぬかの 恋ひとつ
あなたはあっさり その恋すてた
意地があります わたしにも
生きてみせると 笑ったけれど
泣きたくなって 船に乗る

あまえて暮らして いたころは
しあわせだったわ お化粧しても
鴎おまえにゃ わからない
二年もたない 男と女
はかないものです 人生は

みれんの断片(かけら)は ハンカチに
包んで流そう この海峡に
つよくなります あしたから
女ひとりで 出なおす旅は
他国の星が みちしるべ
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