ほほえみだけじゃ見えない

映画のあとで お茶を飲み
いちばん好きな台詞を言えば
約束していたみたいに
あなた うなずくけど……

気が合いすぎて いい人すぎて
友達か 恋人か
わからなくなる

ほほえみだけじゃ見えない
やさしさだけじゃ足りない
いろんなあなた 知りたいの
ときめきよりも 確かに
心の深いところで
泣けるくらい
判り合えたらいいのに

ガラスに映る横顔は
どんな顔して紅茶を飲むの
あなたが見ている私は
いつも明るいけど

いきなりカフェの席を立って
帰るわと言ったら
どうなるかしら

わがままならば とがめて
心配ならば 叱って
本当のことを聞きたいの
違った夢があっても
ときには 頼りなくても
あなただけが
味方だったらいいのに

胸の奥につよがりな
気持ちが生まれる 夏の日

いつもの顔じゃ見えない
ひとつの顔じゃ足りない
いろんな私 捜してね
まばたき くり返すたび
光と影が ゆれてる
この瞳を
見逃さないでほしいの
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