くれないの雨

雨が身をさす こころを砕く
なみだも変る 血の色に
季節の色は 転がるけれど
おれはおまえが 染めたまま
哀しい色だね くれないの雨

寂(さび)しがりやの おまえの胸を
温(ぬく)める春は いつ戻る
おまえが付けた この爪痕が
いまも雨降りゃ 疼くのさ
切ない色だね くれないの雨

入り損ねりゃ 出口が見えぬ
見えなきゃ夢も 行(ゆ)き止まり
おとこの未練 見透かす様な
暗い無口な 露地あかり
淋(さみ)しい色だね くれないの雨
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