鶴之丞

雪の香りの 紅花小花
裾(すそ)に散らせた 絹(きぬ)小袖(こそで)
男は 女の 夢に生き
女は 男の 夢に死ぬ
たとえしがない 役者の身でも
夢は一途(いとすじ) 鶴(つる)之丞(じょう)

嘘と真実(まこと)を 絡(から)ませながら
回る浮世の この舞台
男は 女の 夢に生き
女は 男の 夢に死ぬ
旅の楽屋で 故郷(こきょう)の月に
夢を重ねる 鶴之丞

涙かみしめ 襟(えり)白粉(おしろい)に
情けひと刷(は)け 女形(おんながた)
男は 女の 夢に生き
女は 男の 夢に死ぬ
いつかこの手で 千両(せんりょう)幟(のぼり)
夢の絵(え)草紙(ぞうし) 鶴之丞
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