星の夜北へ帰る

きっと今度は 帰っておいで
うまくない字で 母から便り
愛した人と 手に手をとって
雪国をあとに 出て来て四年
別れてひとり 暮らすこと
隠して嘘の返事書く
あゝ 私は星の夜 北へ帰る

声を聞いたら 泣き出しそうで
かけてすぐ切る 公衆電話
にぎわう駅の 人ごみのなか
ふるさとの名前 ただ見て帰る
一番星の 黄昏に
私の影が泣きじゃくる
あゝ 私は星の夜 北へ帰る

西陽(にしび)のあたる 小さな部屋で
忘れてた訛(なま)り くちびるよぎる
窓辺の花に 水さして
幸せそうな振りをする
あゝ 私は星の夜 北へ帰る
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