世界中でたった一人の大切な人へ

その広くて大きな背中に いつも憧れていました
追いかけては遠ざかる その後ろ姿はいつか
次第に距離を増していきました

クリスマスや誕生日は お袋や婆ちゃんだけだったけれど
別にオレは平気だって そのぐらいへっちゃらだよって
いつも笑ってみせて 自分の気持ち誤魔化してた

でも本当は寂しくて 寂しくて 側にいて欲しくて
愛しくて 恋しくて それが言えなくて
嗚呼 ガキのまま 大人になっちまったオレのことを
今でもまだ愛してくれますか?
大嫌いって言ったけど ワガママも言ったけど
世界中でたった一人の大切な人

一緒に過ごした月日は 簡単に数えられるくらいで
家を飛び出した日も ぶつかった夜さえも
今ではどれも良い思い出です

休みの日は近所で友達の 楽しそうな声とキャッチボールの音
別に普通じゃなくたって オレは一人が好きだって
いつも強がってみせて 自分の想い誤魔化してた

でも本当は悔しくて 悔しくて ずっと甘えたくて
喜びも 悲しみも 受け止めて欲しくて
あとどのぐらい 一緒に時を過ごせるだろう
せめてどうか 孝行させてくれ
すぐ怒鳴り散らすけど 迷惑もかけるけれど
世界中でたった一人の大切な人

久しぶりに見た笑顔 輝きを見つめるその目は優しく暖かくて
オレの記憶には少ないけれど その瞬間がとても幸せで

寂しくて 寂しくて 側にいて欲しくて
愛しくて 恋しくて それが言えなくて
嗚呼 今じゃもう 丸く小さなその背中に
小さな声で そっと呟くよ
上手くは言えないけど 不器用な言葉だけど
こんなオレだけど ずっとずっとあなたの息子
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