インソムニア

「恥ずかしがることは何も無いよ さあこっちにおいで」
差しのべられた手を取るフリをして振り払う

夢見てる自分を観てる自分
その視線が気を散らせている
まだ奥深くに入り込めずにいるまま

どれだけ笑っていても
ときどき冷やかになる
ほら、今夢からふっと醒めた

負けるって分かってるゲームならしたくなくて
それでも羽ばたいてなきゃ飛び立てなくて
起き上がれば平気なのに

まどろみの中へ

毎晩魚の小骨が咽に突き刺さるみたいで
そんなのしょうがないじゃんって思うことばかり

このモヤモヤは晴れてくのかな
それともただ慣れてゆくのかな
こんなつかえは僕の中に残るまま

どれだけ愛されてても
ときどき不安になるよ
僕だけ夢からふっと醒めた

人を傷つけてる自覚など無くて
だけど普通に生きてりゃ無くて七癖
夢をもう一度見たいのに

まどろむだけ

あと5分だけ
ほんの少しだけ
もうずっと眠らせていて

どれだけ楽しそうでも
ときどき馬鹿らしくなる
ほら、今夢からふっと醒めた

どれだけ幸せそうでも
ときどき影がよぎるよ
僕だけ夢からふっと醒めた

寝起きの僕は何時も機嫌が悪くて
すまないと思っていても止められなくて
起き上がれば平気なのに

まどろみの中へ
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