アンコ椿は恋の花

三日おくれの 便りをのせて
船が行く行く 波浮港
いくら好きでも あなたは遠い
波の彼方へ 去ったきり
あんこ便りは あんこ便りは
あゝ 片便り

三原山から 吹き出す煙
北へなびけば 思い出す
惚れちゃならない 都の人に
よせる思いが 灯ともえて
あんこ椿は あんこ椿は
あゝ すゝりなき

風にひらひら かすりの裾が
舞えばはずかし 十六の
長い黒髪 プッツリ切って
かえるカモメに たくしたや
あんこつぼみは あんこつぼみは
あゝ 恋の花
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