薔薇と海賊

港に錨(いかり)を投げた都会は
夜の帆(かか)掲げた 海賊船さ
鴎を漁(あさ)った店は 『ジャマイカ』
ラム酒をあおって 酔いつぶれてた

Rosey お前は優しい娘だったよ
Rosey 朝まで介抱してくれたっけ

男は荒くれ 海賊なのさ
女をさらって 海へ旅立つ
行き着く港が 『不倖せ』でも
ベッドに薔薇を しきつめてくれ

かみそりみたいな月の明かりで
お前は口紅夜に溶かす
泣いてる背中が壁の鏡に
不幸はとっても決まる絵になる

Rosey お前を力で奪ったけれど
Rosey 心の中まで奪えなかった

いつでも都会は孤独な海さ
誰でも淋しい離れ小島さ
七つの海へと漂泊(さすら)う前に
ベッドに薔薇をしきつめてくれ

Rosey 俺にはあんまり深入りするな
Rosey 愛する資格も無い酔いどれさ

男は哀しい海賊なのさ
戦い敗れて沈む船だよ
『絶望』のドアを閉ざすかわりに
ベッドに薔薇をしきつめてくれ
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