知床恋文

流氷原野(りゅうひょうげんや)の オホーツクを
いち輌だけの 赤いディゼル
きょうも別れを 乗せてゆく
あれからあなた どうしてますか
知床に… 春は来ましたか
私のこころは 冬のまゝ あぁゝ
霧笛(むてき)がきこえる アパートの
あの角部屋が 好きでした

ハマナス咲いてる 無人駅で
出合った夏が 恋のはじまり
これが運命(さだめ)と いうのでしょう
約束もない 男と女
愛しあい… すこし照れながら
くらした百日 ものがたり あぁゝ
むくちなあなたの 肩まくら
あの転(うた)た寝が 好きでした

海峡わたって 北に生きる
私にとって これも人生
ゆめのクリオネ さがしたい
いまでもあなた 独(ひと)り身(み)ですか
東京の… 荷物かたづけて
ゆきます最果 知床へ あぁゝ
岬を見ながら パン焼いて
あの朝模様(あさもよう) いまいちど
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