啄木の唄

古巣追われて
嗚呼!沈む陽に
啼くや流転の あの閑古鳥

病みて哀しや
嗚呼!絃月(つき)の夜は
夢も通えよ ふる里の空

東海の 小島の磯の白砂に
我泣きぬれて 蟹とたわむる
石をもて 追わるるごとく故郷を
出でし悲しみ 消ゆる時なし

旅に死すとも
嗚呼!運命なり
歌は離さじ わが生命ゆえ