竜の子

誰に知れず夜を行く
川よ 幼き竜よ
永い時の中を
向かう海は遠く

朝の光 追いかけて
昨日を呑み込んでしまえ
鱗が 煌めくたびに
逞しく姿を変えて

見ろよ 痩せこけた大地を
草木が塗り替えてゆく
川よ 名もなき竜よ
お前の汗の仕業だ

青臭い僕らのねぐらだ
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