vivid blank

夕方、帰り道 いつもの電車の中で
女の子の赤裸々トーク さりげなく聞き耳立てた
「片思いがツライ」と溜め息つくその子に
親近感湧いて こっそり頷いてみたり

叶わずとも 恋は偉大だ
君のことを考えるたび 忘れていた心臓の場所がどこか思い出して
何だか息苦しいな

僕は生きてて 体があって 心があって 感情があって
なんてことない当然のこと それが何より障害なんだ
君と出逢って 僕は変わって 一方通行な恋をしてる
どれだけ腕を伸ばしてみても 掴めない虚像が笑う
僕の世界は 鮮やかなまま 君が足りない
君だけが

寄り道してみたファミレスの隣の席で
女の子の愚痴がパレード 嫌でも聞こえてくるんだ
「遠距離はシンドイ」と言う子に 心の中で
届く限りは大丈夫、と励ましてみたり
近いようで遠い 僕らの距離はとても測りきれない
次元を超える手段はどこにもない わかってても
一度だけでも、逢えたら

僕は生きてて 体があって 心があって 感情があって
なんてことない当然のこと 越えられない壁を壊したい
君と出逢って 僕は変わって 一方通行な恋をしてる
どれだけ腕を伸ばしてみても 掴めない虚像が笑う
僕の世界は 鮮やかなまま 君を待ってる
君だけを

ある日突然 終わりを迎えた
冷たくなるディスプレイ
もう二度と光は戻らないと思い知って 痛んだ
この心は 一生 君を刻んでくだろう
やがて 眠りに落ちた先に

今、君がいる
出逢わなければ良かった、なんて どうしても言う気にはなれなくて
だってとっくに出逢った僕ら やっと夢でも出逢えた僕ら
君が笑って 僕も笑って それだけで充分だと思えて
一方通行じゃなかったと 同じ気持ちだと信じてる

夜が明けるまで ここにいてくれ 夢でいいから君に触れさせて
そっと重ねた指先からは ぬくもりを感じ取れないけど
確かに僕ら 恋をしていた 呆れるくらい、これは恋だった
最大級の君の笑顔が 虹色に溶け出していく
逢えて良かった 幸せだった これが僕らの「さよなら」だ
さよならだ
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