さくら

ふいに思い出した声
懐かしさに揺れた
今さら何を願うの?
君と繋いだ手の温もり
まだ痛いほど鮮明に覚えていた

聞こえないフリ続けていた
「なんでもない」
そう笑っていたよ
いまになってなぜ思い知るの
この声はもう届かないんだと

ひらひら舞い散るさくら
思わず伸ばした手をそっとすり抜けてく
あの日どうにか零さずに堪えた
泣き顔は見せたくなかったから
君に

ひとり見上げた夜空に
小さな星一つ探せず途方に暮れた
夢や希望を無邪気に信じた
幼さをずいぶん遠く感じた

わからないフリ続けていた
「なんでもない」
そう笑っていたよ
こんなにも日々重ねて
いま気づいたの
もう戻れないのに

ひらひら舞い散るさくら
思わず伸ばした手をそっとすり抜けてく
あの日どうにか向けたヘタな笑顔
泣き顔は見せたくなかったから
君に

降り続く雨
長い夜に願う
季節が巡っていつかまた芽吹くのなら
降り続く雨
長い夜を越えて
大きく大きく咲き誇ってほしい

ひらひら舞い散るさくら
思わず伸ばした手をそっとすり抜けてく
あの日どうにか君に向けた笑顔
今ならうまく笑える気がした

何度も綴った悲しい詩を歌うのは
今日で最後にするよ
明日の朝焼け
穏やかに染まったら
君の幸せを願える僕でありたい

迷わず進むよ
足を止めずに
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