余市の女

お酒を相手に ひと冬越えて
あなた待つ身を 霧笛が泣かす
シリパ岬は 荒波しぶき
雪また雪の 波止場みち…
夢を夢を 夢をください もういちど
いのち預けた 余市の女

一途というのも 哀しいものと
他人(ひと)は指さす 噂をたてる
紅い夕日に 積丹(しゃこたん)カモメ
誓った 愛の乗(じょう)念寺(ねんじ)…
忘れ忘れ 忘れられない ぬくもりに
賭けて入船(ふね)待つ 余市の女

泣かせたぶんだけ 優しく抱いて
胸の根雪を 溶かしてほしい
春のあけぼの ローソク岩に
黒ユリ投げて ただ祈る…
恋を恋を 恋をかえして もういちど
あなたひとすじ 余市の女
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