旅枕

あてもなく 流されて さすらうこの胸に
今日もまた俺を呼ぶ 純なやつ
風の噂が 泣かせる波止場
死ぬほど惚れてた 嘘じゃない…
誰にわかって 欲しくはないが
詫びて酒くむ 男の旅枕

黄昏のあの空を 仰げばちぎれ雲
さいはてに 消えてゆく恋もある
鴎(かもめ)おまえも 淋しかないか
移ろう季節の ひとり寝は…
むせぶ汽笛を 遠くに聞いて
しのぶ故郷よ 男の旅枕

あびる火の酒 眠れぬままに
想いが千里の 道をゆく…
北は時雨(しぐれ)か それとも雪か
春はいつ来る 男の旅枕
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