うたかたの風

別れの後の 白い萩
一つこぼれて 二つこぼれて
深まる秋が 身にしみる
魂だけを 奪いさり
心も見せず 消えたひと…
許すしかない あなたのことは
許さなければ 生きてゆけない
うたかたの風 やさしさに
はぐれることが 怖かった

待宵月(まつよいづき)の のぼる空
行くに行かれず 待つにあてなく
去り行く影が 目に残る
愛した深さ ゆれうごき
憎しみだけに 変わっても…
許すしかない あなたのことは
許さなければ 生きてゆけない
うたかたの風 吹きぬけて
孤独の毒に 侵される

飛んで行けたら 蛍になって
きっとあなたを 探しだすでしょう
うたかたの風 風花(かざはな)の
舞い散る冬が 近いから
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