みちのく風酒場

山背(やませ)がはしる 海鳴りほえる
窓がきしんで ちらつく小雪
旅の男が 熱燗ならべ
ここで二人で 飲み明かそうと
冗談めかして 目で笑う
みちのく港の 風酒場

雑音入りの ラジオがながす
昔きいてた 哀愁列車
旅の男の 酒のむ仕草
まるであの人 もどったようで
声さえはなやぎ 注ぐお酒
みちのく港の 風酒場

女が流れて 十年ちょっと
喋ることばも 地元の訛り
旅の男と 顔つきあわせ
土地の魚に 箸つけながら
ポツリポツリと 酒ばなし
みちのく港の 風酒場
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