月の舟

何も言わずあなたと座ってると
この夜は静かな海のよう
地平線は渚なのでしょう
幾千の星が寄せる

どこまでもあなたと 行けるよね
指先でつついた 月の舟

木々たちが潮騷を奏でる
星空へあなたと漕ぎ出そう
未来まで嫌になるでしょう
こんな夜が過ぎたあとは

つつましく浮かべた しあわせを
隠したりしないで ちぎれ雲

夜露が濡らしたその黒髮
星屑のなかで泳いだよう
震えているのに寒くないって
あなたのささやく永遠

いつまでも二人を包み込む
この夜は静かな海のよう
優しさも怖くないでしょう
暗闇に比べたなら

すぐそこに明日が 見えるよね
朝焼けに消えてく 月の舟
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