海峡ホテル

闇に潤んだ 灯りを引いて
何処へ行くのか 夜の船
これが最後と あなたの胸に
この頬埋めれば こぼれる涙
忍び恋です 別れです
白い夜霧の 海峡ホテル

海の深さも 心も同じ
逢えば燃えます 炎(ひ)のように
情(こころ)やさしい あなたの愛が
躰(からだ)の芯まで 私を変えた
恋と言う名の 倖せの
夢を見ました 海峡ホテル

鳴門海峡 儚く揺れる
遠く近くに 宿灯り
残る未練を 涙で包(くる)み
渦巻く夜明けの 波間に捨てる
おんな切ない この胸に
咽(むせ)ぶ霧笛(むてき)の 海峡ホテル
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