八月生まれのきみの結婚式

サイフォン・コーヒー
萌える思いと共に最後の一滴まで飲み干していく

打ち捨てられた木造のボートと
葉がすべて落ちた名も知らぬ木と
お気に入りのブサイクな人形
あなたの家はいまはもう空き家だ

再会の日に感じた距離は
「ふたり」がちゃんと「他人」になれた証拠だ
今、きみと飲む濃いめのコーヒー
これくらいの苦さならもう慣れてしまったよ

八月生まれのきみの結婚式は
海が見える白い教会にしなよ
ぼくの髪は肩まで伸びたよ
きみはぼくとちゃんと他人になれた

女「わたしたちは最後の最後に顔を見合って笑えたもんね。」
男「さようなら。」
女「ありがとう。さようなら。」
男「よかったね。」
女「よかったね。」
ふたり「よかったね。」

他人になれた
きみはぼくとちゃんと他人になれた

ちゃんと「他人」になれた

サイフォン・コーヒー
萌える思いと共に最後の一滴まで飲み干していく
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