西日工場の煙

雨のあがった空に立ち上ってく 遠くそびえる工場の煙
夕刻6時すぎのため息さえも 許さない町並みが見える

雨のあがった空に立ちの上ってく 遠くそびえる工場の煙
朱色ににじんだ雲が夜を招いて 今にも堕ちてしまいそうだ

目をつむれば 思い出せた帰り道が
サビた風に ついにさえぎられてしまった

ゆっくりでいい ゆっくりでいいから そんなに焦らせないでくれ

雨のあがった空に立ち上ってく 遠くそびえる工場の煙
手を広げるあなたの確かな影も 今にも溶けてしまいそうだ

ギアのきしみ 巻き戻したその刹那に
焦げた風が 左手に絡んでしまった

ゆっくりでいい ゆっくりでいいから そんなに急がないでくれ
ゆっくりでいい ゆっくりでいいから そんなに急がないでくれ

目をつむれば こみ上げてくる毎日は
足跡だけ 何故に残してくれたろうか

ゆっくりでいい ゆっくりでいいから そんなに焦らせないでくれ
ゆっくりでいい ゆっくりでいいから そんなに急がないでくれ
ゆっくりでいい ゆっくりでいいから そんなに焦らせないでくれ
ゆっくりでいい ゆっくりでいいから 例えばあの煙のように

雨のあがった空に立ち上ってく 遠くそびえる工場の煙
雨のあがった空に立ち上ってく 遠くそびえる工場の煙
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