右手

「僕の車には君だけを乗せたい。」
カーラジオから 心地よい恋のリズム

きざむ鼓動 体中にひびかせ
はるか遠くから 君を奪いに行くよ

覚えたての唄を 聴かせるために
車ぶっ飛ばしたままで 君の家まで

開いたドアの向こうに 君が立っている
うつむいていた君に 右手を差し出して
君も右手を差し出してくるよ

眠る町を抜け 目の前飛び込むハイウェイ
灯るハロゲンライト 映る君のまぶたの中

過ぎる時を 胸に焼きつけながら
小さな手を握りしめて 朝日が射す方へ

君から「好き。」と言ってくれた 去年の夏の日に
はずかしそうに笑って 右手を差し出して
僕も右手を差し出す時に

急に君が僕に口づけをして 二人気がつけば
深く眠るように… 溶けあうように…

たどりついたそこは 甘い口づけの場所
見上げた空は なぜかあの日のままで

君から「好き。」と言ってくれた 去年の夏の日に
はずかしそうに笑って 右手を差し出して 差し出して

開いたドアの向こうに 君が立ってる
うつむいていた君に 右手を差し出して
君も右手を差し出してくるよ
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