露草

貴女の乗った車椅子 ほら・その少し先
小さな花が見えるでしょう そう・あの露草が‥
今年も咲いてくれたよね そう・いつもの場所にね
朝一番の涙の滴を ほら・今朝も湛えてる
摘んで帰りましょうか そして飾りましょうか?
貴女が休むベッドの隣がいいかしら‥
そして流してくれよ いつもの私に代わって 幾つもの‥幾つもの涙を…
貴女の乗った車椅子 ほら・その少し先
小さな花が見えるでしょう そう・あの露草が‥

生きる事を・悔やむんじゃないと よく言うよね
命は神様からの授かりものだと 確かによく言うよね
だけど時に・疑ってしまう 生きるって意味をね
こんな不自由な身体のままで 夢を語れるはずがないと
露草よ教えておくれ 母に伝えておくれ
年に一度の花を咲かせる為だけに
そして 耐え続ける強さを 母に教えてくれ 今の私はそれができない
だけど無理かしら・露草よ 午後まで待ってみるよ
だって朝の君は私と同じさ いつも泣いてる気がする

今日は少し遠くへ・行ってみますか あの・橋のある場所
車椅子を押すには傾斜があってさ 辛い・場所だけど
もう貴女は忘れたでしょう 姉なら憶えているかしら
露草がひっそり咲いていた 束の間の朝日を浴びてネ
摘んで帰りましょうか そして飾りましょうか?
貴女が休むベッドの隣がいいかしら‥
そして流してくれよ いつもの私に代わって 幾つもの‥幾つもの涙を…
きっと流してくれるでしょう いつもの私に代わって
幾つもの幾つもの涙を‥ そう・涙を
幾つもの幾つもの涙を‥ そう・涙を
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