荒波おんな船

嵐の夜明けに 漁に出て
それきり帰って 来なかった
泣いてるひまなど ありゃしない
とうちゃんの とうちゃんの とうちゃんの
忘れ形見を 守るため
人生海峡 荒波おんな船

月命日には 薄化粧
言ってもきかない 男(ひと)だけど
あん時とめれば よかったよ
寒くって 寒くって 寒くって
胸に両ひざ 抱き寄せて
涙におぼれる 荒波おんな船

言い寄るカモメを 蹴飛ばして
朝から晩まで イカを干す
男はとうちゃん だけでいい
負けないよ 負けないよ 負けないよ
浜の女の 心意気
人生海峡 荒波おんな船
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