風見鶏

また行ってしまう 遠くへ…
古いレンガ造りのやかた
街路樹のやせた枯葉が
寒い季節を呼ぶ

どこをむくのか 風見鶏
気まぐれな風に さそわれて
そぞろに うごきまわるは
まるで あの人の心のよう

こうして たたずんでいるのは
影に ひきづられているから
ああ… どうして 忘れようとしたのか
足を踏み外して 心をくじいた

“さようなら”と一言
一筆がきで なげだす
トレンチ・コートのえりをたて
寒さをしのぐのに

こうして たたずんでいるのは
影に ひきづられているから
ああ… どうして 忘れようとしたのか
足を踏み外して 心をくじいた

ああ… どうして 忘れようとしたのか
足を踏み外して 心をくじいた
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