組曲「鬼子母神」~徨

何処かで 声が捻れる 誰かの 嘆きを告げる 風が 此処には 着かぬと
恨みる 鎖は絶えぬ 聯なる 悲懐を訴う 風が 其処に 吹き交ふと
矩は 何れなる 責めて 悔いの 凪 求めて
喪の暗き 足音に 惑う 然らば 光 閉ざす 流亡の果てに
想 彷徨う 丈 念いが 腐り始める 澱んだ 譏謗で固む 壁が
そそり憚ると 矩は 疵に問う 枷鎖となるより 枷ぐ霊に
離る 情 呼び掛ける 責めて 悔いの 凪 求めて
仄暗き 命に 償う 然らば 光 閉ざす 流亡の果てに
想 彷徨う 丈 迷うなかれ 迷うなかれ
帰らぬ 残滅の径を 過ぎ往き 亡き 彼の霊に 手向く
責めて 墜の 刻を 越えて 此の暗き 己を 賭して
然らば 光 閉ざす 流亡の果てに 独り 彷徨う 迄 二人 彷徨う 迄
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