白川郷

天生峠(あもうとうげ) あの人越えて
帰らぬままに ふた冬過ぎる
父の顔 知らない乳児(やや)を背におって
雪の白山(はくさん) 掌(て)を合わす
女哀しや 白川結(ゆい)の郷(さと)

春駒(はるこま)の お囃子空に
あの人想えば 恋しさつのる
であい橋 ふたりをなぜに逢わせたか
薄い緑に しのび泣く
女哀しや 白川結(ゆい)の郷(さと)

御母衣(みぼろ)ダム 湖底(こてい)の村よ
荘川桜(しょうかわざくら)が 涙に霞(かす)む
まだ切れぬ 心の糸を信じつつ
雪の白山(はくさん) 掌(て)を合わす
女哀しや 白川結(ゆい)の郷(さと)
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