転校

そっと君の髪が揺れてた
コートに映るネットの影
遠くから聞こえる
野球部のエール
静かに密かに
君を描いた

僕がパレットを洗えば
はねる水道のしぶきに
みずいろの蝶々が
ひらひらと止まる
涼しくはかなく
虹を描いた

窓際の席ひとつ君を見てた
白墨が折れる音 現実に戻る音…
もう君は遠い街 流れる雲

放送室のドア開けたら
今も「オハヨウ」って振り向く
きれいだった文字が
残された日誌
削れたエンピツ
時を描いた
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