月見草の女

月がこぼした 涙のしずく
染まって泣いてる 月見草
笛吹河原の 鵜飼の手縄(たなわ)
切るに切れない 男の未練
初めて知った 恋だから
ゆれている ゆれている 愛しい人よ

君と渡った この鵜飼橋
一人でたたずむ 淋しさよ
つないだ右手の ぬくもり残し
月の影から 見ていてくれる
淡いかおりが 沁みる夜
忘れない 忘れない 愛しい花よ

川の流れと 月日の流れ
もう一度この手で 戻したい
黄色のひとひら 愛(いと)しく見つめ
優しく噛んでも あなたは亡(い)ない
月に抱かれた 月見草
さようなら さようなら 愛しい人よ
×