男酔い

男だ 女だ 言う気はないが
女にゃわからぬ 酒がある
哀しき父は 今はなく
やさしき母も 今はない
故郷(ふるさと)ぼんやり なつかしく
見上げる三日月 盃にして
星をサカナに 星をサカナに 男酔い

切れたの 惚れたの いろいろあって
女房にゃ言えない 酒もある
かなわぬ夢が ふたつみつ
かなわぬ恋は 山とある
こころはカラカラ 走馬灯
人生持ち寄り 止まり木酒場
今日もほろほろ 今日もほろほろ 男酔い

涙と 悔しさ 一気にあおり
他人(ひと)には見せない 酒がある
男はいつも 大きくて
男はいつも 馬鹿だから
狼みたいに 吼(ほ)えながら
都会の夜風に 身を震わせて
いのちぬくめる いのちぬくめる 男酔い 男酔い
×