月の宿

窓にこぼれる 月灯り
胸の哀しみ 映し出す
ふたり別れる その日が来ると
知らずにいました ばかでした
つらさ逃れる ひとりの旅は
にじむ涙の 月の宿

声もかすかな 虫の声
泣いて夜通し 誰を呼ぶ
いつかいつしか わがままばかり
甘えていました ばかでした
浮かぶあなたの 面影抱けば
心震える 月の宿

痩せた夜空の 月さえも
元の姿に 戻るのに
きっと幸せ 続いて行くと
信じていました ばかでした
夢で逢いたい 逢えたらつらい
口紅(べに)がせつない 月の宿
×