石松おとこ花

酒と喧嘩は ならぬと意見され
石松頼むと 親分(おや)の目に
ここに大役 代参(だいさん)引き受けて
粋な啖呵(たんか)は まっぴらごめん
富士も見送る 急ぎ足

刀納めて 讃岐の戻り道
石さん立派と おだてられ
よせばいいのに 騙され呑む酒が
五臓六腑(ごぞうろっぷ)に 沁み渡り
悪い奴らは 都鳥

肩に振り分け 晒(さら)しに長脇差(ながどす)を
石松根っから お人好し
清水港じゃ ご存知いい男
語り継がれて 末代(まつだい)までも
残しおきたい おとこ花
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