梅川忠兵衛

雪のふるさと 落ち行く影は
死出の晴着の 梅川忠兵衛
恋の意気地の 封印切りに
夢もちりぢり
エゝ 追われ旅

親子つないだ 縁の糸は
晴れて名のれぬ せつない小糸
握る手と手も 目かくしゆえに
ふるえふるえて
エゝ たゞ涙

父が情けで 指さす道へ
比翼かなしや 梅川忠兵衛
罪と不孝を 重ねて背負って
果てはどこやら
エゝ 雪が散る
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