秋唄

秋よ 秋の秋みだれし日 きみは夏を胸に抱いて
秋の空の鱗雲だね きみの目に光るさざ波よ

蚊帳をとった日 裏庭に出て真似をして指笛吹いた
プールにバタアシで 最後の蝉の声聞いた
手紙を書こう 一度会った友達に
あいかわらず忙しく 同じ自分を生きてます

秋よ 秋の陽は短くて ペダルこげば風が冷たい
線路沿いを何処まで行けば 誰かにばったり会えるかな

今年は柿の実が大きいと 洗濯する手をふと止めて
乾かないシーツ越しに 物干し台の母が言った
バイトをぬけて 時間がぽっかりあいた
ちょっと人恋しくて ため息なんかついちゃって

秋よ 秋の秋みだれし日 冷たいコーヒー鼻にしみて
テストの時期にかぎって いつも夜明けまでラジオを聞いてます

きみの住んでいる 街に向かうバスを見て
ちょっと人恋しくて ため息なんかついちゃって

秋よ 秋の秋みだれし日 きみは夏を胸に抱いて
秋の空の鱗雲だね きみの目に光るさざ波よ

「白線までお下がりください」 知らない声に胸が踊る
空が急に赤くなったら せつなさが前より募ります
少しだけ何かが変わります

秋よ 秋の秋みだれし日 きみは夏を胸に抱いて
秋の空の鱗雲だね きみの目に光るさざ波よ
きみの目に秋がみだれし日
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