世界の終わりのジェリーフィッシュ

白いシーツ、顔埋めて。
深い底、向かおう。
青い夜、空がまるで水面のよう。

まっさかさま、夢の中へ。
ひとでに笑われ。
でも静かに落花、僕はくらげみたい。

「明日、世界が終わるだろう。」
テレビが騒がしい。
評論家の目んたまは、死んだ深海魚、たまに砂浜にうちあげられているあれ。

―くらがり 眠る くらげはね

―何かを 望んで 光った

きっと明日に僕は恋をする、そんな予感が。
雨の中、君に逢って言おう。

「夢では逢ってたね。」

街を敷き詰める雨が、僕を刺激する。
外に飛び出た僕には、向かう場所が。

―くらがり 眠る 君がいて

―こっそり くちづけ 起こした

そして二人すぐに恋した、埋もれる星で。
水かさの増しゆく中、ずっと。

明日もまだ好きでいる、そんな誓いが。
二人は指切りしてね、言った。

「世界の終わりでも。」

「ねえ、ふわふわしてたいね。」

「そう、大雨のなかでも。」

「僕らは浮き続けていこう。」
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