北へ流れて

堅気(かた)いくらしは できない俺に
泣いていゝのと すがるやつ
それが愛だと わかっても
純なこころが 重すぎた
はまなすの 赤い花
北へ流れて 寂しさしみる

惚れているのに いとおしすぎて
抱いてやれない 恋もある
俺がいたんじゃ だめだから
ひとり都を 捨ててきた
すずらんの 花の粒
思い出させる あいつの泪

呑んでゆられて めざめて降りて
きょうも孤独の 海を見る
未練ひきずる さすらいは
何処が果てやら 終わりやら
荒波の オホーツク
夏というのに 夕陽がさむい
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