酒の舟

酒よ判るか 淋しさが
判ればあの人 連れてきて
死ぬ程惚れて 何故添えぬ
いつも不幸の くじを引く
逢いたいよ 逢いたいよ 逢いたいよ
おんな とまり木 酒の舟

もしやあなたと 振り向けば
冷たい夜風が すり抜ける
ふたりでいても 寒いのに
ましてひとりじゃ 尚(なお)寒い
悲しいよ 悲しいよ 悲しいよ
どうか酔わせて 酒の舟

思い断ち切る つもりでも
飲む度 恋しい人になる
情けの沁みた この路地で
ひとり未練と さし向かい
逢いたいよ 逢いたいよ 逢いたいよ
外はしぐれて 酒の舟
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